私は小学校4年生から中学1年まで父の仕事でアフリカ・スーダンに滞在していた。当時の経験から将来は国際協力に携わりたいと、大学では政治学・国際関係を学び大学3年時にはジュネーブの国連本部でインターンの経験をすることも出来た。しかし、国際協力と言っても分野は様々で大学卒業時までに一体自分はどのエリアを専門としたいのかが正直分からなかったため、一度社会に出ることにした。
一旦社会に出ると目まぐるしい毎日を送ることに必死になり、いつのまにか当初抱いていた目標が薄れ、あっという間に社会人9年目を迎えてしまった。ある程度社会人としてのキャリアを築いてきたが、自分にとって仕事とは何なのかと改めて考え直したときに、自分が希望するのは、何らしかの形で人の役に立ち、かつ人生を通してずっと関わり続けることのできる分野で貢献をしたいとことだった。それが何かと問うた時に自身の中から出てきたのはやはり「国際協力」であり、また、現職である人事を通して、途上国での人材開発・能力開発に携わりたいと、やっと自分の中で一つの答えを見つけることができ今回の留学に至ることとなった。
私が留学を決意した理由が実はもう一つある。世界各地で耐えることのない戦争や紛争を考えた時に本当の意味で平和を知っている人間はどれくらいいるのだろうかということだ。日々当たり前のように享受している私たち日本人にとっては気にも留めないことかもしれないが、世界から見れば我々日本人は平和を知る数少ない貴重な民族であると思う。日本人が持つ平和精神を世界に広めることこそが日本ができる最大の国際貢献なのではないか。その担い手の第一歩としての留学となるように励みたいと思っている。